消化吸収のために、意識的に行うことのできる動作は、食物を咀嚼することだけです。
私たちは、食物をまる飲みすることも、よく噛み砕くことも自在にできますが、一度飲み込んでしまえば、後の工程は内臓にお任せするしかありません。
噛むことは消化の一端を担っており、内臓に負担がかからないように、手助けをしてあげることが大切です。
また、噛むことで、食物が細かくなり、表面積が大きくなります。それにより、消化酵素による分解効率が上がり、体への吸収もよくなります。
最低でも、一口30回は噛むことを心がけましょう。
<酵素を味方につける>
酵素は、体内で分泌される以外にも、食物からとることができます。
酵素は食事をするたびに絶えず働きますが、酵素の少ない食事ばかりしていると、酵素を体内で大量に分泌しなければならず、大忙しになってしまいます。
酵素を食物から取ることで、消化の負担を減らし、栄養素を効率的に取りましょう。
例えば、糖質の消化を助けるアミラーゼは、大根、山芋、かぶなどに多く含まれ、タンパク質の消化を助けるプロテアーゼは、パイナップル、パパイア、キウイフルーツ、生姜などに含まれます。
脂質の消化を助けるリパーゼは、納豆、味噌、漬物などに多く含まれています。
酵素は熱に弱く、加熱すると破壊されてしまいますので、生のまま取るようにしましょう。