No.52 頭痛の悩み(片頭痛)

片頭痛は「偏頭痛」とも表します。その名のとおり頭の片側のこめかみから目のあたりが痛むことが多いのですが、頭の両側や後頭部が痛む場合もあります。さらに吐き気や嘔吐を伴い、光や音に敏感になることもあります。

朝起きたときに明るさを感じたときや、緊張が解けてほっとしたとき、あるいは気象的要因として湿度が高く極端に高温か低温のとき、著しい天候や気圧の変化があったときにも起こりやすいといわれています。

大きな特徴は、月に1、2回程度、ズキンズキンとした拍動性の激痛が発作的に起こり、繰り返されることです。血管が拡張する理由には、セロトニン説(ストレスなどの刺激が誘因となり、血液中にセロトニンが分泌されて血管が収縮する→緊張がほぐれてセロトニンが減少し血管が拡張する)や三叉神経説(脳幹から出ている三叉神経が刺激されて血管の拡張や炎症をもたらす神経ペプチドが分泌される→血管が拡張して炎症を起こし、さらに神経を刺激して痛みが増す)など、いくつかの学説があります。

特に、片頭痛が女性に多くみられる理由として、女性の方がセロトニンの分泌量が少ないため、血管が拡張しやすいことが挙げられます。また、プロゲステロンという女性ホルモンが痛覚感受性を高めるため、月経周期の変動も関係しています。そのため、片頭痛は30~40歳代の女性に多く、閉経すると症状が治まることもあります。

片頭痛は、体を動かすと痛みが増しますが、寝てすごせば翌日には改善します。ただし、睡眠中は呼吸が浅く二酸化炭素が多くなり、目が覚めたときに酸素を取り込もうと脳の血管が拡張して頭痛を招くので、寝すぎは禁物です。

頭痛が起こる前兆として、光が見えたり、視野が欠けることがあります。頭痛のサインをいち早く察知して、静かに過ごすことが肝心です。

頭痛に伴って肩や首がこりますが、マッサージや入浴は血管を拡張させて痛みが悪化するので控えたほうがいいようです。保冷剤などで冷やしたりすると痛みは緩和しますよ。

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