No.61 過敏性腸症候群(2)

過敏性腸症候群は、食事をはじめ、生活の乱れなどによって生じますが、現在では、心身のストレスが最大の原因になって腸の機能が失調し、「消化管運動の異常」や「消化管知覚過敏」によって発症すると考えられています。

腸管の運動は、自律神経と腸管自体に存在する神経によってコントロールされていますが、ストレスを受けることで、異常な運動が起こります。その結果、腹痛、腹部不快感とともに抑うつや不安など、情動の変化も引き起こし、これらがさらに消化管の運動異常を悪化させます。

過敏性腸症候群の診断には、一定の診断基準が設けられています。これを参考にすることで、ある程度自分で推測できます。

<過敏性腸症候群の診断基準>

過去3ヶ月において腹痛あるいは腹部不快感が1ヶ月に少なくとも3日以上あり、さらに下記項目の2つ以上に当てはまること。

■痛みや不快感が、排便によってやわらいだり、治まったりする。

■痛みや不快感を感じるようになったあと、排便回数が増える、あるいは減る。

■痛みや不快感を感じるようになったあと、硬便あるいは軟便になる。

解消するための日常生活のポイント

過敏性腸症候群と診断されたら、まず生活習慣の改善に努めることか大切です。早寝早起き、毎日決まった時間にトイレに行くなど、規則正しい生活を心がけましょう。特に大切なことは、朝食をきちんととることです。便意が起こるのは、朝食によって胃が膨らみ、長時間休んでいた腸が刺激を受けて動き出すためです。また腸に負担のかかる香辛料、アルコール、脂質などは、できるだけ控えたほうがいいでしょう。ストレス解消のために、ウォーキングやストレッチなど、運動することも効果的ですよ。

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