No.25 健康な体をつくる3つの要素(東洋医学)

東洋医学では、体の調子が悪いと感じたり、病気になる前に素早く対応することが大切と考えられています。治療が必要にならないように、普段からの食事や運動、生活の仕方に注意をはらい、予防する。これを「養生」といいます。

さて、東洋医学においては、健康な体をつくる要素が3つあります。体の中の「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)または津液(しんえき)」の補充と代謝、「陰陽」のバランス、「五臓六腑」の働きです。

■「気(き)・「血(けつ)」・「水(すい)または津液(しんえき)」

気・血・水(津液)は、人体をつくったり、活動させたりするための基礎的な物質とされています。「気」は人間を生かすエネルギー、つまり生命力のことです。「血」は血液を、「水(津液)」は体液、分泌液を指します。この3つが体中をめぐって、私たちの体を養っています。

何らかの原因で気・血・水(津液)の量に過不足が生じたり、うまく循環していなかったりすると、病気になりやすいといわれます。反対にこの3つが全身にバランスよく循環していれば、組織にうまく供給され健康につながると考えられています。

■「陰と陽」

体の内と外、お腹側と背中側、五臓と六腑(内臓)などは、陰と陽という一対のものから成り立っていると考えられています。

陰は静的なイメージ、陽は動的なイメージというように相反する性質を持ち、2つのどちらかに偏ることなくバランスを保っていると、健康体を維持することができると考えられています。

■「五臓と六腑」

五臓六腑とは内臓の総称で、五臓は「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」の5つ。六腑とは「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦(さんしょう)」の6つからなります。

その働きは「五臓」が栄養をもとに気・血・水(津液)をつくって貯えるところ、「六腑」は食べ物から栄養素を消化吸収するところとされています。

また東洋医学で面白いところは、五臓と六腑はそれぞれが対応する臓と腑が協力し合って機能すると考えられているところです。それぞれ対応するのは、肝と胆、心と小腸、脾と胃、肺と大腸、腎と膀胱で、経絡でつながっています。(六腑の三焦は、気や血の通路で、気化作用がおこなわれる場所です)。そのため、あるひとつの臓腑の働きが悪くなると、関連する別の臓腑の調子が悪くなりやすいのです。

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