No.83 「収縮期血圧」と「拡張期血圧」とは?

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血圧はさまざまな原因で高くなりますが、生活習慣も大きく関与しています。生活習慣の影響は、たとえそれが小さなものであっても、長い時間積み重なることであらわれます。高血圧が生活習慣病といわれるのはこのためです。

つまり、生活習慣を改善すれば血圧が高くなるのを抑えることができるのです。

私たちの体は、血液が全身に酸素や栄養分などを送り、全身から二酸化炭素や老廃物を回収することで維持されています。血液を送り出すのは心臓で、ポンプのように収縮(縮む)と拡張(膨らむ)を繰り返し、体の需要に応じた血液を調節しながら循環させています。

体の隅々にまで血液を送るためには、血液に圧力をかけて送り出す必要があり、血管内の血液が血管の内壁に与える圧力(内圧)のことを「血圧」といいます。

血圧の高さを決定する大きな要因は、「心拍出量」「末梢血管抵抗」です。

心拍出量とは、心臓が1回の収縮で送り出す血液の量のことをいいます。その収縮する力が強ければ強いほど、送り出す血液の量が多くなるため、血管の内壁にかかる圧力が強くなります。

また、末梢血管とは、全身に張り巡られた細い血管で、この末梢血管内での血液の流れにくさを末梢血管抵抗といいます。末梢血管の弾力がなくなり、内腔(血管の内側の空間)が狭くなると、抵抗が大きくなります。そのため、心臓は体の隅々まで血液を行き渡らせようとして、より強い圧力で血液を送り出します。

こうした要因によって、血圧が上がっていくわけです。心拍出量と末梢血管抵抗以外にも、血液粘稠度(血液の粘り気)が強くなったり、循環血液量(体の中を循環している血液の量)が増加すると、末梢血管の抵抗が大きくなって血圧が上がります。

また、末梢の細い血管だけでなく、大動脈も弾力を失ったり、内腔が狭くなれば、血圧に影響を与えます。

さて、血圧には、「収縮期血圧」と「拡張期血圧」がありますが、心臓がギュッと収縮して血液を全身に送り出すときの血圧が「収縮期血圧」」です。収縮期血圧は、血管壁にかかる圧力が最高になることから「最高(最大)血圧」「上の血圧」とも呼ばれます。

一方、心臓が拡張して全身を循環した血液を回収するときの血圧が「拡張期血圧」です。拡張期血圧は、血管壁にかかる圧力が最低になることから「最低(最小)血圧」「下の血圧」とも呼ばれます。

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