No.88 血圧を下げる食事療法

s-池

高血圧の治療の基本は、生活習慣を修正することです。なかでも、食事療法は最も基本となるもので、健康的な食生活に修正できれば、血圧を下げることができます。

高血圧の食事療法で、最も注意すべきことは、食塩の量を控えることです。食塩の主成分であるナトリウムを取りすぎると、血液中のナトリウム濃度が上がります。すると、血液中のナトリウム濃度を薄めようと、血管壁(血管の周囲を構成する管状の組織)から水分が血管内に引き込まれ、全体の血液量が増加します。

そして、増加した血液を全身に送り出すために心臓の心拍出量が増え、血圧が上がってしまいます。血液量が増えても、血管に弾力性があれば、血管は広がって血管への抵抗は少なくなりますが、すでに動脈硬化などがある場合は弾力性も弱くなっているので、血管の抵抗は強くなり、血圧が上がってきます。

ほかにも、ナトリウムが交感神経を刺激することで、血圧を上げるホルモンの分泌を促すともいわれています。

■高血圧の人の食塩摂取量の目標は「1日6g未満」!

血圧の上昇に関係があるナトリウムは人間の体に必要な栄養素ですが、現在の日本の食生活では不足することはありません。

「日本人の食事摂取基準」によると、成人の1日の食塩摂取量の目標値は男性8.0g未満、女性7.0g未満、高血圧の人は6g未満が目標となります。

しかし、厚生労働省の「平成25年国民健康・栄養調査結果の概要」の成人における食塩摂取量は、男性11.1g、女性9.4gとなり、年々下がってはきていますが、まだ目標の数値より多くの食塩を取っていることがわかります。

食塩と血圧上昇の関係には個人差があり、食塩の摂取量を減らしても血圧が下がりにくい人もいます。しかし、減塩すると高血圧の改善や予防だけでなく、心血管病、腎疾患、胃がんなどの病気の予防にもなるので減塩を心がけることが大切です。

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