No.27 外因と内因(東洋医学)

「暑さからくる夏バテ」や「寒くてカゼをひく」といったように、気候の変化により病気になることもあります。東洋医学では、このような外から侵入する病気の原因を「外因」と呼びます。またそれとは別に、感情の変動や精神的な疲労のことを「内因」と呼んでいます。日常生活でもストレスがたまると体の抵抗力が低下したり、病気を招きやすくなったりします。人間の「喜」「怒」「憂」「思」「悲」「恐」「驚」の7つの感情を「七情」といい、過度な感情の起伏は精神的なアンバランスを生み、病気の原因になることもあるとされています。どのような感情が、どの臓腑に影響するかも五行論によって関係づけられていて、それぞれ特定の臓腑を痛めるとされています。

 

■七情と臓腑と気の関係

   七情          臓腑            気の障害

  怒       肝       気は上がる(血が頭部にのぼる)

  喜       心       気は緩む(精神が集中できなくなる)

  思       脾       気は結ぶ(気が結集して消化吸収に支障が起こる)

 悲・憂      肺       気は消える(意気が消沈する)

  恐       腎       気は下る(腎の機能を損なう)

  驚       腎       気は乱れる(精神が不安定になる)

たとえば、心は脳に相当する精神的な働きを持っていて「喜によって気は緩む」といいます。喜びは心情を伸びやかにしますが、喜び過ぎるとかえって精神を散漫にさせ、それにより精神が集中できなくなり、動悸、不眠などの症状があらわれます。何事もほどほどが一番いいようですね。

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